20SS Labo Monotone

Crystalized

今季に限らず、私たちは長らく水晶の透明性を見つめてきました。その性質上、何も手を加えなければガラスのように光が通り抜けるだけ、手を施しすぎると他の影響を大きく受けて印象が様変わりしてしまう。無垢な素材であるがゆえの難しさを感じながら、何度も探求を重ねていく内に、様々な光の質感に触れていきます。

川底が鮮明に見えるほど水が澄んでいる。

この探求の合間に、私たちは名前に惹かれ、四国・高知の山中にある水晶淵を訪ねます。そこはじっと見なければ水辺と地面の境目が分からないくらい透明な水質を持つ場所。けれど水面の揺らぎが起きると水底は歪み、そこに静かな境界があったのだと気づかせてくれます。何もないのではなく、"静かに在る"。その美しさはジュエリーに求める美しさとも重なるものでした。

"静かに在る"とは、見えない奥行きを感じられること。そのイメージは、今季の水晶探求へと繋がっていきます。石と干渉するパーツをできる限り削ぎ落として留め、光が透過するように光穴を大きく開ける。水晶は立体的なカッティングを施し、光が抜けていく奥行きを作る。いわゆるジュエリーの様式を削ぎ落とすことで、光の抜けていく余韻だけを浮かび上がらせるような設計に仕立てました。これは結果としては'19AWの石座で石を包み込むようにして覆う手工芸的なセッティングとは真逆のアプローチで、プリミティブとも言える作りです。けれど氷を乗せただけのようなその佇まいは、ジュエリーという存在に捉われない純粋な美しさを浮かび上がらせてくれたと感じています。

溶けかけの氷のような、霞のような。そこにどんな美しさを見立てるかは持ち主に託されたものですが、私たちがあの時みた水晶淵の景色も、結晶となり静かに現れているように思うのです。

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