20SS Gold

Harmonize with you

敬愛する陶芸家にハンス・コパーという人がいます。彼の作品を見ていると、器というよりも彫刻作品のような美しさを感じられるのですが、それは"器"という機能である以上に、空間と調和した佇まいにあるのではないかと思います。そこにあることでその空間の静けさを際立たせる。コパーの作品のように、本来そこにある美しさを引き出すデザインを、今シーズンも考え続けました。

彫刻のように素材の中に眠るフォルムを探す

私たちがジュエリーを作るとき常に考えていることは、"身につける人に調和すること"です。例えば純度の高いゴールドは人の手で形を変えられるほどに柔らかいものです。新しい〈Nude〉では、古代から人が形にしてきた円や弧といったプリミティブなかたちに、人の手で温度や重力を加えていくように血を通わせていきます。柔らかなゴールドが、女性の身体の"張り"や"つや"として美しく浮かび上がる。調和する、というのは決して馴染んで消えてしまうことではありません。

アノニマスな形状に、素材のあるがままの美しさを投影する

少しハンス・コパーの話に戻りますが、 作品について多くを語らなかった彼の言葉で、ずっと心に残っているものがあります。彼が愛したという古代の卵型の器に対して使った、「生き抜いてきたかたち」です。ジュエリーの歴史にもそれは確かにあります。例えば今季作った〈Plain〉のノット=結び目のモチーフや、〈Signet〉もその一つ。結び目は古くから国や民族を超えて用いられてきた普遍のモチーフですし、シグニットは指輪の起源とも言われます。時代を超えて「生き抜いてきた」ジュエリーの源流を、現代に馴染むかたちで彫り起こす。宝石に付与される価値でもなく、作り手の感性という刹那的な価値でもない、アノニマスな価値。そこに自分にとっての意味を繋げることで、時代を超えた調和が生まれるのではないでしょうか。

最初に記した通り、私たちのジュエリーは身につけることで完成します。ゴールドはその中でも最も肌に近く、心にも近いものです。いつか着けていることがより自分らしいと感じて頂けたら、とても嬉しく思います。

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