20SS Labo

Color of wind

もしもこの初夏の風を描くとしたら、翡翠のような色をしているのではないだろうか、と思います。

私たちが翡翠に取り組み始めてまだ数えるほどですが、やはりこの緑には心が惹かれます。質の良い翡翠は、磨くとつやつやとした照りが浮かびます。これは翡翠特有の蝋光沢と言い、まさに蝋燭のような柔らかな質感を生み出します。緑色の石自体は他にも色々とあるのですが、この瑞々しさは色彩というよりも、自然の景色をそのまま切り取ったかのようです。陽の光に照らされてさざめく緑に、水辺の苔の群生や、その間を抜けてくる風の匂い。東山魁夷の『緑響く』に描かれた、爽やかさにほのかな湿度を混ぜ合わせたような、日本の自然が持つ凛とした空気がそこには存在するようです。

一般的に、装身する上で緑というカラーはあくまでもアクセントであり、日常的にというと敬遠されることも多いのではないでしょうか。けれど、翡翠は身につけると驚くほどしっくりと馴染みます。やはり色を身に着けるというよりも、風の匂い、光の美しさを混ぜ合わせたような軽やかな空気感があるからではないかと思います。今コレクションの中でも特に大ぶりのものはその質感がよく見えます。単純な色彩ではないので、ゴールドにも心地よく溶け合い、肌にも柔らかく馴染んでいく。装身具の歴史は西洋に遠く及ばない日本ですが、翡翠はきっと日本の女性に根差した美しさを引き出してくれる素材だと感じています。

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