22AW LABO
BASIC UPDATE_ Tiny Diamond

やわらかな品格

私たちがジュエリーを考える時、とても大切にしていることがあります。それは「品格がある」こと。もちろんそれは西洋のジュエリーにはっきりと存在するのですが、あくまでも西洋の文化背景の中に生まれ出たものです。ならば、私たちも東洋人としての文化や美意識に根ざした品格を見出してみたい。

その種はいつも古典に見つかります。

私たちが惹かれる古い装身具の一つに、ジョージアンと言われる時代のブローチがあります。時は18世紀ごろ、この時代のダイヤやゴールドは今以上に貴重で高価な素材だったため、シルバーをベースに、かつ小さなダイヤを寄せ集めて仕立てるというスタイルが多く生まれました。小さいとはいえ宝石を敷き詰めるので華やかには違いませんが、一粒ダイヤの大きさや輝きを主役に据えるのとは趣きが異なる端正な美しさです。さらに、時を経て味わいを増したシルバーが素材同士で不思議な一体感を生み出している。その味わい深い調和にこそ、私たちなりの品格を生み出す種があると感じました。これが〈Tiny diamond〉として芽を出します。

その中で今季は、“月桂樹”という古代から続く普遍的なモチーフの一つに取り組みました。常緑樹である月桂樹には永遠性の象徴として神々や皇帝にあしらわれてきた側面もありますが、長い歴史の中で取り上げられ続けてきたことを見ると、人々にとって植物とは最も親しみ深く、最も美しいテーマであり続けたことが伺えます。その根源的かつ普遍的な魅力は、自然の中に生きる民族である私たちにとっても、深く馴染むものとなるはずです。月桂樹の葉はmederuオリジナルのホワイトゴールドで、その中にブラウンダイヤを一つずつ手で彫り留めて、一体感のあるトーンやテクスチャを追求しました。

宝石の価値や輝きではない、手仕事から生まれる奥行きと凛々しさ。そうしたやわらかな品格が、東洋の女性たちのシックスタイルの種となり、歳を重ねるほどに美しい花を咲かせることを願っています。

salon MEDERU 10月企画展

22AW LABO
BASIC UPDATE _ Tiny diamond

画展会期:2022.10.15 - 30

極小のメレダイヤモンドを、一粒ずつゴールドに手で彫り入れて仕立てる〈Tiny diamond〉。’22AWより月桂樹のモデルと、以前よりお仕立てしているリングの型を踏襲したピアスやネックレスを、新たにBasicとして追加しました。ホワイトゴールドとブラウンダイヤの穏やかな色調、そして手仕事による味わい深い品格をお届けします。

  • 〈Tiny diamond〉はBasicのコレクションです。企画展終了後も、サロンにて通年で受注を承ります。

  • サロンやキャラバンにお越しが難しい方は、オンライン上でビデオを繋ぐ「Online Boutique」にてご案内いたします。