23SS BASIC update
JOURNAL for〈Signet〉
しるしの指輪
大人の女性にとって、私らしいと思えるものとの出合いはとても幸福なことです。量産で作られたものの愛の無さや、シンプルと言われるものへの味気なさに、年齢を重ねるほどに気づいてしまう。だからこそ、歳を重ねた先にも私らしいと思える“しるし”のような存在を作りたい。
私たちはそのヒントを古いシグニットリングから貰いました。 ジュエリーがまだファッションとしてではなく、お守りのような存在として大切に身に着けられていた時代から存在するシグニットリング。持ち主を表すシンボルや紋章、イニシャルなどが彫り込まれた指輪は、まさに自身を映し出す−−もはや自分そのものを身に着けていたと言っても過言ではないでしょう。古来の装身具が持っていた“しるし”という意味性を、現代の女性たちにふさわしい姿でもう一度呼び覚ましてみる。それが私たちの〈Signet〉探求です。
元来、男性の持ち物であったシグニットに唯一足りないものは、静かなる色気です。今季は、女性的な張りやしなやかさを感じるプリミティブな形や、最も古いシンボルである《月桂樹》や《スネーク》をデザインとして刻みいれるなど、古代のシグニットスタイルから多くの着想を得ています。有機的なシルエットはできる限り端正で軽やかに洗練させ、彫りには伝統的な手彫りを使いながらも、ドラマティックなバロック絵画ではなく、日本画のように繊細で静かな美しさを目指しました。身につけた時の身体へ溶け合う心地を、きっと感じて頂けることと思います。
持ち主の願いや祈りを刻み込む「器」であった時代性に向き合った今季の〈Signet〉探求を通じて、本来、装身具が持ち得てきたはずの静かな品格のようなものに、また一歩近づくことができたように思います。ジュエリーは女性にとって鏡のような存在です。自分を映し出す“しるし“を持つことで日々がささやかに支えられ、心の姿勢が整っていく。一人でも多くの女性にその心強さをお届けできたら、と願っています。
salon MEDERU 3月企画展
23SS BASIC update
<Signet>
タイムレス探求を続けるmederuにとって欠かせない定番のコレクション〈Signet〉シリーズ。女性的な洗練を感じるフォルムや手彫りのイニシャルなど、歴史や文化を受け継ぎながらも現代に生きる私たちの解釈を加えてモダンに仕立てています。今季は、“Ancient model”としてより古代的なシルエットや、古典的な彫り模様を刻み込んだ1点ものを加えました。持ち主の時間を味わい深く語る指輪のコレクションです。
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〈Signet〉はK18ホワイトゴールドでの受注も承ります
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イニシャルや模様の彫りは全て手彫りでお仕立てします。1点ずつ繊細に異なることも魅力としてご理解ください
- サロンやキャラバンへのお越しが難しい方は、オンライン上でビデオを繋ぐ「Online Boutique」にてご案内いたします