BASIC
Nude series
自由の象徴
ゴールドピアスに本格的に取り組んだのは約2年前に遡る。 ともに時を重ねていけるものを生み出す上で、長らく指輪を中心に考えてきた私たちだったけれど、ピアスにおける一生ものとは何だろう?と当時ずっと考えていた。
指輪は身に着けている自分を自身の眼で見ることができる。だから、それを作ろうと思った時の自分の気持ちや約束に励まされるような、存在の重さを感じられる。それと比べてピアスは、そもそも着けている自分の姿は鏡に映さないと見ることができない。さらに言えば、ピアスは耳に穴を開けて着ける。指輪のように体に"on"するものではなく、ピアスは体に"in"するもの。つまりピアスは指輪以上に、身体に溶け込み、自分の一部となれる。その存在の軽さこそ、ピアスの本質であるように思えた。
身につけることで、心と身体を軽やかにすること。 それが一生をともにできるピアスに浮かんだ北極星となった。
身体の一部となって、どこまでも気にせず、どこまでも美しくいられるようなピアス。その理想形はゴールドと手仕事の彫刻的なアプローチでないと叶わないと感じた。そこから2年の間、サイズやボリューム、シルエットなど何度も試作と調整を重ねて、今季の〈Nude〉のピアスたちが生まれた。身体の延長線上にあるような柔らかな張りと、素肌の美しさに似たほのかなつやめき。手仕事ならではのしなやかな洗練を生み出すことができたと思う。
日常でもオケージョンでも、都市でも自然でも、仕事でもプライベートでも、どこへでもついてきてくれる。自然な私のままに、どこまでも美しくいられる。このピアスたちが一日一日を軽やかに、そして人生という長いベクトルで見たときにもより自由であれることを応援するような、一生ものとなれたら嬉しく思う。
BASIC
Nude series
LOOKBOOK
〈Nude〉では、最も人に馴染む形は生きている命のかたちにそのヒントがあると捉え、生命力の顕れである「張り」「つや」に着目したシルエットを追求しました。ゴールドバンドやフープピアスなど装身具の最も原初的な“素の形”をベースに、現代の多様なスタイルへ馴染むための時を超えた普遍性を見つめながら、日常に寄り添うサイジングや質感など、現代的な解釈をもってさらに洗練させました。ピアスに限らず、リングやネックレスもお作りしています。