'19AW Collection
Diamond Series
Unassumingly
ダイヤモンドは女性にとっての憧れであり、また、ジュエリーという存在の象徴というイメージも持たれているものかと思います。けれども私たちは敢えて、日常の中でのダイヤのあしらいについて考えを巡らせてきました。つまり、ダイヤをそう特別に捉え過ぎなくても良いのではと思っています。
mederuも様々なダイヤのジュエリーを作り続けていますが、初めの頃は極小粒のメレダイヤを使ったごくささやかな物が中心でした。けれども“ダイヤを身に着ける”という感覚は、やはり一目見てダイヤと分かるくらいのひと粒から始まると感じています。
mederuの選ぶダイヤは、輝きよりも"瑞々しい"という言葉が似合う物。16世紀頃に主流だったローズカットを施したダイヤです。
ローズカットは現代の主流となっているブリリアントカットよりも少ない切子面が特徴です。たくさんの光で見た目を白く飛ばすようなこともなく、素材そのものの質感が引き立つようなカットだと思います。私たちは様々な宝石素材の「自然味」を大事にしていますが、ダイヤも同じです。この瑞々しい透明感が、ダイヤの持つ自然の味わいを見せてくれるのです。
様々なものに触れながら年齢を重ねていくと、自分にとっての丁度いい上質が何なのか、少しずつ分かってくることがあります。その中で、自分なりのいいものを日常の中に迎え入れるいうのは、豊かさのひとつの形だと思います。その形はきっと人それぞれに異なるものですが、これまでに様々な宝石と出合ってきて感じるのは、ダイヤほど何気なくさりげなく、日常を豊かに彩ってくれる素材はそうないだろうということです。
出しゃばらないくらいの輝きで、凛ときらめく。それを目にして「心地いいな」、そう思いながら自然と前を向く。それが年月を重ねても続く気持ちであるように。そんなダイヤの在り方を模索し続けています。