ゴールドは、柔らかく温かなもの。

人の手からジュエリーが生み出される様子を初めて目にした時、金属は硬くて冷たいものではなかったんだと実感しました。そんなジュエリーだったら、ずっと身に着けていられるかもしれない。

そんな想いが形になり〈Je t'aime〉シリーズが生まれました。Je t'aimeに表されるノット(結び目)のモチーフは、古くから愛の象徴という意味が込められてきたもの。ですが私たちは贈る人と贈られる人との絆だけでなく、それを身に着ける人にとっての愛着であったり、作り手から使い手へのバトンという意味であったりと、この結び目のモチーフにいくつかの思いを重ねてきました。

11年経った今でも、初めてJe t'aimeを作った時の経験や感覚は大事にしています。現在は、ゴールドという素材に向き合い生み出している〈Plain〉シリーズがJe t'aimeの思想を引き継いでいます。

Plainは文字通り奇を衒わず、昔からある普遍的なゴールドジュエリーを形にするシリーズです。あれだけシンプルなものでも、コンピューターで製図するのではなく人の手で微調整を繰り返しながら、プロポーションを決めています。

人にとっての心地よさは人の手が最もよく知るところで、簡潔な形であればなおのこと機械で仕上げると味気ないものになるのです。金属という存在は人にとっての異物ともなるものですが、それらを人の手の中で、心地よいものに変えていく。そんなアプローチはmederuの原点であり、私たちの全てのジュエリーの源となっています。