salon MEDERU 企画展
自由なかたち _ Labo for Pearl
開催期間 2021.5.21 ~ 6.6
前回のJOURNALでは、真珠が貝と作り手の時間の積み重ねによる輝きであることを綴ってきた。この企画展「自由なかたち」では、よりその自然体の個性を存分に感じて頂けるものを集めている。
真珠の個性は焼き物を想像してもらうとわかりやすい。作り手がどんなに均等に手をかけたとしても、窯の中の置き場所や釉薬の流れ方などによって焼き上がりに違いが出るのは必然で、その景色の違いを楽しむことも焼き物の魅力の一つである。作り手の美意識と自然の采配が生み出す図りきれない美しさ。真珠も焼き物のように、一つ一つに美しい景色を持っている。だからこそ、自分にしっくり馴染む景色を見つける喜びも生まれる。
アコヤ真珠のバロックパールは真珠層が厚く強く重なっているため、張りも潤みも力強い。白くて丸い真珠の気品とはまた異なる、溌剌とした凛々しさを持った珠である。
これに並んでとても豊かな表情を持つのが、「びわ湖真珠」である。この企画展ではBasicでご紹介した日本の海で育つアコヤ真珠とともに、日本の湖で育つびわ湖真珠を加えている。名前の通り滋賀県の琵琶湖にて養殖される真珠で、アコヤ真珠とは貝の種類が全く違い、大きさも2~3倍近くある。アコヤ真珠と比べると、ピンクやオレンジなど暖色系の色が中心となり、より個性が強い珠は印象派のパレットのような繊細な色彩をしている。生まれや育ちは違うけれど、どちらの真珠も自然の色を巻き込み、過ごした時間の美しさを映し出している。自由で繊細で自然体、それこそが真珠の魅力だ。
私たちはずっと真珠に憧れている。何百年と途切れず、真珠は女性の耳元や胸元を飾り続けてきた。そして今でも、素敵に歳を重ねた女性たちの耳元には真珠が寄り添っている。決して皆同じものではなく、大きさも形も色もそれぞれ。そんな姿を見ていると、自分に似合う真珠を見つけることは大人になるための嗜みのようにも思える。シックスタイルの原風景を見せてくれる真珠。ずっと愛せる真珠と出会う喜びが、一人でも多くの人に訪れますように。
salon MEDERU 企画展
自由なかたち _ Labo for Pearl
開催期間 2021.5.21 ~ 6.6
宝石と言われる素材たちはそもそも自然から生まれ出るものであり、その一粒一粒に繊細な揺らぎや豊かな個性を宿しています。企画展ではその自然美を生かした”一点もの”のお仕立てを通じて、mederuの定番アイテムとは別のご自身にとって馴染む個性との出合いをお届けしたいと考えています。