LOOK

SEASON

BASIC

2020 Autumn & Winter

STYLE OF BASIC

mederuが創業以来ずっと探求し続けてきたのは、歳を重ねてなお愛していけるBasicな装身具。飾り立てるための色彩や輝きではなく、身に着ける人に寄り添い、着けるほどに美しく馴染んでいくための形や質感を、人の手と目で見出していく取り組みです。

受注開始:10/9 ~
※真珠・水晶・黒蝶貝は素材数に限りがあるため12/28までの受注です。

'20AW BASICの探求

一般的にジュエリーとは色彩や輝きを美しさの軸として構成されますが、私たちが大切にしたいのは身に着ける方に馴染んでいく美しさです。決して目立つものではなく静かで、けれど飽きることのない魅力。私たちはその魅力を手仕事によって引き出します。今季を語るならば、"彫り"です。

これは今季に限った話ではありませんが、私たちのシルエットには絶対の直線がありません。特に紐を結んだようなPlain knot ringなどはよくお分かり頂けるかと思います。人の身体はデジタルの0と1の二進法のように、均一で均等な数値では表しきれないほど繊細です。私たちはそれら全てを人の手で彫り起こすように形作ることで、人の身体に馴染む張りや弛みを見つけていく彫刻的なアプローチをしています。

質感にも同じことが言えます。特に今季は、まるで織物のような表情が目を引くでしょうか。これは点を連ねるように細かく手彫りし、細い糸に光が当たっているような質感を生み出したもの。昔の絹織物が思い起こされます。これもいわゆるゴールドの艶を消した表情でありますが、決してマットではありません。そもそも機械の生み出す均一なマットは人肌とは遠い存在です。肌の張りやつや、歳を重ねた複雑な揺らぎ、そうした人の時間を受け容れるだけの質感も、やはり人の手仕事の中にあります。今季、極めて小さなダイヤやパールを彫り留め、そこに生まれる味わいを仕上げにいたるまで探求しました。そもそも自然物である素材は不揃いが基本。この不揃いを一つ一つ受け止めることができるのもまた、人の手と目なのです。

そしてこのゴールドでの探求とともに、今季からベーシックとして取り上げるのはモノトーンの素材たち。色のない世界で、そのかたに馴染む光と質感を見出します。やはりこれも、人の手と目のなせるわざ。今季は真珠と水晶、黒蝶貝で仕立てます。真珠はそれ自体が人の手から生まれる稀有な宝石ですから、その珠の自然な美しさを生かす引き算の仕立てを考えます。一方、水晶や黒蝶貝はそのままでは自然そのもの。素材を削り、磨く。するとそこには光の奥行きや柔らかな光沢が生まれていく。彫刻研磨という彫りによって、人が身に着けるものとしてふさわしい気品を引き出していきました。

どれ一つとっても緻密で静かな表情をしていますが、これこそが人の手から生まれる美しさだと思います。人の手に馴染むものは、人の手から生まれていくもの。このコレクションを通じて、ともにその尊さを感じて頂けましたら嬉しく思います。

BASIC MATERIALS


Gold&Diamond

古典的かつ普遍的なデザインを探求しながら、しなやかな曲線と質感の奥行きだけで探求するもっとも削ぎ落とされたアイテムたち。ダイヤにはオールドカットダイヤを選び、輝きというほど大げさなものではなく、自然な潤みとして馴染ませました。現代女性の様々なスタイルに寄り添い、引き立てるラインナップ。

あこや真珠 _ Pearl

ダイヤに並んでスタンダードな宝石と言える真珠。だからこそより日常的に馴染むものを作りたいと考えます。今季は極小のケシパールや日本の海で育つアコヤ真珠を使い、珠の持つ自然な揺らぎを受け入れながらも、手仕事による仕立てでモダンに洗練させました。

水晶 _ Crystal

ダイヤと同じように透明な素材の水晶ですが、光の屈折率が低いためダイヤのような輝きはありません。この質感を生かし、水晶の裏表に丁寧にカットを施すことで奥行きを作り、光と影の重なりを生み出しました。澄んだ空気を感じる日本的な素材だと感じています。

黒蝶貝 _ Mother oh Pearl -black-

黒蝶貝は黒朝真珠を生み出す母貝です。黒蝶貝と言えども均一な真っ黒ではありません。真珠層を幾重にも重ねて生まれる黒は光を含んだ柔らかな色調をしています。丁寧に磨くと虹色の光沢を伴って、艶を帯びます。歳を重ねる美しさを感じるシックな黒です。